【時かけクマ子】第2章① 古代の城と鬼族の青年2023.11.22 04:29刺客――その言葉に反応して、ツノを生やした者たちが一気にこっちを警戒した。それと同時に、数人が一人の女性を守るように取り囲む。先ほど姫……と呼ばれていた女性だろうか。「し、刺客だなんて……違います!わ……わたし……」取り囲む殺気立った気配に、クマ子の背筋が凍る。屈強な数人の騎士た...
【時かけクマ子】第1章④ 大失敗から古代へ2023.11.22 04:29――今研究しているこのウォッチが私にとって最後のウォッチ……になるかもしれないのか……。先日ラントにも指摘された自身の研究目的の自立――たくさん考えてみたけれど、まだ自分の中で答えは出ていない。これからの自分がやっていきたい研究テーマを考えるのにはしばし時間がかかると考えたクマ子...
【時かけクマ子】第1章③ 目的の喪失2023.11.22 04:27「――もう必要ない」クマ子が生徒会室前で聞いた彼の一言だった――*ラントとの下校時の妄想で浮ついた気分のクマ子が生徒会室の扉に近づくと、ラントと副会長の参歩ツトムが話している声が聞こえてきた。「そういえば……先ほどY研のメンバーが学園長室に入っていくのを見かけました。もしかして先...
【時かけクマ子】第1章② 学園長からの提案2023.11.22 04:27「Y研は我が校が誇る最高の機関だ」「君たちの活躍がなければ人類は宇宙人に太刀打ちできなかっただろう……最大限の感謝を述べさせていただきたい!」クマ子たちY研のメンバーは現在学園長室にいた。そしてたいへん名誉なことに学園長直々に研究の功労を称えてもらっているのだ。元々、Y研は秘密裏...
【時かけクマ子】第1章① 大切な人2023.11.17 01:16冬の終わり。まだ寒さを感じる朝の静かな空気の中、クマ子はいつものように研究内容を思案しながら学校に向かってのんびりと歩いている。先日マタロウから来た依頼については封印を強化するウォッチを渡すことができた。「うれしー!ボクやっとお布団でゆっくり寝られるんだぁー!」と涙目で踊りながら...
時をかけるクマ子-プロローグ-2023.11.17 00:55プロローグ―マタロウからの依頼―マゼラを打ち倒し、アトランティスでの大冒険も終えて平和が訪れたY学園。平和が訪れたとは言っても、超強力な個性の学生や、お騒がせな怨霊がワイワイ元気に過ごしているため世間一般で言うところの平和が訪れたとは言い難いが…、それでも地球の運命を賭けたエイリ...